講師紹介

  • 神奈川歯科大学・神奈川歯科大学 短期大学部特任 教授 荒川 浩久 先生
    根面う蝕へのフッ化物応用の基礎と臨床

    歯・口腔の健康(ことに活発な咀嚼の継続)が全身の健康に良い影響を及ぼし、健康寿命を延伸することが明らかとなり、種々の活動が展開され、高齢日本人の残存歯数は増加しています。しかし、これにともなって歯周病と歯根露出に起因する知覚過敏と根面う蝕が問題となっています。根面う蝕は歯の破折と喪失につながるため、予防が大切ですが、エナメル質より根面象牙質の臨界pHはが高く、酸に溶解しやすい、プラークコントロールしにくいなどのハンディがあり、発見しづらく治療も困難を伴います。また根面う蝕の発生機序はエナメル質と異なるため、それに応じた予防法を考えるべきです。

    う蝕予防に有効性が認められているのはシーラントとフッ化物応用です。この中で消費者に最も利用しやすいフッ化物配合歯磨剤の根面う蝕予防への有効性は、1,100 ppm F濃度のフッ化物配合歯磨剤を二重盲検法にて1年間使用した結果、歯冠部う蝕には41%の予防効果を示したのに対し、根面う蝕は67%と高かったと報告されています。また、歯科医院の指導による家庭内フッ化物洗口による根面う蝕予防効果は、225ppmFのNaF溶液による毎日洗口の2年間実施で73%、フッ化物歯面塗布(12,300ppmF)は2年間の実施で74%と、いずれの局所応用も高い予防効果が示されています。本日は、これらのフッ化物局所応用の具体的な応用方法についても解説します。

略歴

1977年
神奈川歯科大学卒業
2000年
神奈川歯科大学口腔衛生学教授、大学院指導教授
2001年
日本口腔衛生学会常任理事(2013年5月まで)
2009年
厚生労働科学研究「フッ化物応用の総合的研究班」主任研究者(3年間)
2018年
神奈川歯科大学・神奈川歯科大学短期大学部特任教授